2017年版白書によれば 1995年 47歳だった中小企業の経営者年齢の山が、2015年は66歳となっているそうです。
これって 1995年に経営者だった人が2015年になっても経営を続けているってことですよね。

 頑張ってみえますよね。

 でもいつまでも経営を続けてはいけませんよね。 いずれ 誰かに事業を譲らなくては事業は続いていきません。
きっと 多くの経営者の方は 経営の『 今 』 を一生懸命頑張りながら 『 未来 』の事業をどうするかも考えてみえると思います。 その『 未来 』の姿の中には 『 自分の代で事業をおえる。 』もあるんでしょうか。

 企業数は2009年から2014年にかけて39万者減少しています。その多くが 白書では 小規模企業に分類される事業者です。

 企業の構成比率をみると 中規模事業者の比率が増加しています。 これは 起業して業績が上がり中規模事業者となる事業主が増えているというポジティブな傾向ではなく 小規模事業者の廃業等による減少が他の規模の事業者より格段に多いため相対的に中規模事業者が統計的に増えているにすぎません。

 報道によれば 景気の拡大傾向は続いているそうですが 私の知る限り 小規模事業屋の方で景気が良いと感じている方は皆無だと思います。

 事業の承継が進まないのは、引き継ぐ人材がいないという理由よりは、こんな費用対効果の悪い事業を継がせることはないから 自分の代で終わるといった事業承継をはじめから考えてみえない事業主の方が多いからではないのでしょうか。

 2017年版白書は成熟期にある事業から成長期、幼年期にある事業への経営資源のバトンタッチをテーマの一つとしています。
 業種間の異動に重きが置かれているようですが 『 経営資源のバトンタッチ 』は ビジネスモデル全体のバトンタッチである必要はないはずです。

 事業が継続できているというのは有形無形の経営資源を持ってみえるからです。
 
 イノベーションというのは既存の事実の組み合わせともいわれています。事業を一つのまとまったものとみれば将来性が見えなくても事業の工程を分解してみれば 行ってみえる事業では陳腐化した経営資源であったとしても、他の事業モデルにとっては何かイノベーションを起こす可能性のある経営資源かもしれません。
 ずっと その世界にいると 『あたりまえ』と思っていることも 異なる世界、業界では『斬新な発想』かもしれません。

 自分の持っている財産をもっとよく知り、それを有効に使うという発想が事業承継にも必要なのではと考えます。