平成28年6月6日付け 日本経済新聞に 「中小企業2030年消滅?」と題した囲み記事がありました。
経営者のピークの人数が属する年代が毎年ほぼ1歳ずつ上昇 このままでは2030年には80歳の経営者が一番多くなる計算からの見出しです。

 記事では 海外需要取り込みによる売り上げ確保、M&Aを活用した経営者交代が提案されています。
 
 小規模企業白書( 以下「白書」といいます。)では 売上高が増加傾向にある者の約7割が商圏拡大傾向になっています。
 商圏拡大傾向にあるとするトップ3の業種は 「宿泊業」39.1%  「製造業」38.9%  「卸売業」38.0% です。逆に拡大傾向であると回答した者の割合が低かった下位3業種は 「生活関連サービス業」23.1%  「小売業」24.1%  「建設業」29.2% となっています。
 
 理美容業中心とする「生活関連サービス」や「小売業」などの生活密着型業種は商圏拡大の傾向が弱いと白書は分析しています。

 「インバウンド」 「海外進出」 「ネット販売」 キーワードになりそうな言葉はいろいろ浮かびます。 
 売上は 小売業であれば 「 客単価 × 顧客数 × リーピート回数 」 ですから、「 商圏拡大 」は 数を増やす方策の一つとして有効かもしれません。

 売上増加傾向の回答は27.5%  対して 売上総利益(粗利)が増加傾向であるとの回答は22.4%となって居ます。
 売上を増やすことは重要なことですが利益が伴うことが必須です。 資金繰りがタイトであることが多い小規模事業者にとってはなおさらです。
 
 白書によれば 「 卸売業 」 「 飲食サービス業 」では 売上高が増加傾向とする回答と売上総利益が増加傾向であるとする回答は10%以上かい離しています。 逆に売上高増加傾向の回答が低かった「 生活関連サービス 」 「 小売業 」ではその差が小さくなっています。

 業種でひとくくりにはなっていますが、そのビジネスモデルは様々ですから、個々の適性を考えて 売上増加、利益増加の方策を考えなければなりません。
 老齢な経営者の方は経験、知識とも豊富であります。 ただ 経営は5年後、10年後を見据えて取り組む必要があることを考えれば、 経営の実働部隊はより若い世代にと思います。