岐阜の税理士 鷲見のつぶやき

経営や生活にかかる税務の話題を中心に、その時々 自分の気になった話題を取り上げます。 わかりやすくを心がけますので 専門家の方から見れば ? と思われる個所があるかもしれませんがご容赦を。 ( 書いていることは その時の法令に従ってますし すべて私見です。)

2015年12月

軽減税率 零細企業ピンチ ( ;∀;) 2

インボイス方式導入を機に 『 業者さん相手に商売して見える方は皆さん課税事業者を選択しましょう。 』
税収の面から言っても税制改正はそういった方向に向かっていると感じます。
新聞の記事も 軽減税率導入と必ずセットで 財源 って出てきますから。

 インボイス導入で困る事業者の方に 古物を扱う方も含まれます。
古物を扱う方はいわゆる骨董品屋さんだけでなく 古本屋、古着屋 中古自動車販売業者 最近では スマホの中古を扱う店も増えてますよね。

 こういった業者の商品の仕入れ先の多くは個人の方ですよね。
 現在は 個人から仕入れた商品であっても消費税等の控除ができますが 一個人ではインボイスが発行できませんから インボイス方式が導入されると納付すべき消費税等から仕入に係る消費税等の控除ができなくなります。

 勝手な想像ですが 個人からの仕入れ価格は消費税が控除できることを前提に決められているのではないでしょうか。
 税率が10%になれば 控除を見越して110万で買い取っていた商品は買取価格は100万なってしまいます。
 買取価格を変えず、売価も変えなければ当然 控除できない分だけの利益が減ってしまいます

 商品である古物の買取価格を下れば商品の買取量が減る。
 買取価格を変えなければ売価を上げるか利益を削ることになる。

 いずれにしても 商売をやってる側からするとよいことではありません。

 マージン課税という方式があります。 欧州の付加価値税で採用されています。

 個人や免税事業者からの仕入について 販売価格と仕入れ価格との差額である利益(マージン)をもとに消費税額を計算するという方式です。
 当然にインボイス方式に組み入れるよう 管理番号を付けた、マージンインボイスを発行して 税が累積しないようにするなどの仕組みもあります。

 日本の税制改正でも採用を前提に論議されているようですがどうなるのでしょうか、興味あるところです。
 
 

 

 

軽減税率 零細企業ピンチ ( ;∀;) 1

 平成28年の税制改正大綱の決定もまじかになり その内容が断片的に報じられています。
中でも 報道の頻度が高い項目は 政治的な要素も高く 消費者の興味ある所からでしょうかやはり消費税率の軽減税率についてですよね。

 
 前にも書きましたが ( 軽減税率 零細企業はどうなるの 参照 )軽減税率を適正に運用するためにはインボイス制度の導入が前提になります。

 消費税等の免税事業者からの仕入は 現状では納付する消費税等から控除できる仕入にかかる消費税等に含めることができています。 ですから 購入する業者は 商品の購入先が免税事業者であるか課税事業者であるかきにすることなく会計処理ができています。
 しかし インボイス制度が導入されると 納付すべき消費税等の額から控除できる仕入等にかかる消費税等の額はインボイスに記載されている税額になりますからインボイスが発行できないところから仕入れることを控える可能性が高くなります。

 消費税等は 本体の価格とは別だから 消費税等の免税事業者からの仕入から控除できる消費税等を計算することがおかしい。

 そう思われる方もみえると思いますが中小零細の企業、個人商店では税込みの金額が商談の対象となることが多く購入する側は同じ値段なら消費税が控除できるものから買うということになる可能性は非常に高いと思います。

 また 消費税の基本的な考え方は生産、流通の各段階で二重、三重に税が課されないよう売上に係る消費税額から仕入等に係る消費税額を控除することで税が累積しない仕組みとしているわけですから この点から言えば 仕入等に係る消費税額を控除していない商品の売り上げに消費税をかけるということは 税込み価格にまた税をかける二重課税になるといえます。

 そんなことから 11月には何らかの零細企業救済策を と書きましたが 与党の税制協議会での対応策からはどうも期待できそうにありません。

 法改正後 3から5年後に簡易方式から インボイス制度に移行。
 インボイスは登録制により登録課税事業者のみが発行。
 免税事業者からの仕入等についてはインボイス導入後 3年間は80% その後3年間は50%の控除を可能とする。
 』 ことが税制改正大綱には記載されるようです。

 

軽減税率 零細企業はどうなるの

所得税入門4(不動産所得① 区分)

 今回は 不動産所得の話です。

 普段聞いたことがないような言葉も出てきますが 興味を持たれた部分だけでも聞いてください。

 不動産収入というと まずアパートや貸店舗の収入が思いつきますよね。
では 貸駐車場からの収入は不動産所得になると思われますか。 下宿を営んでみえる方の収入は?

 単純に 土地や建物、部屋の貸付から得られる賃借料などは不動産所得なんですが 一時に受け取る権利金などは不動産所得にならないことがあります。

 基本的な考え方は 『 何に対して金銭をもらっているかで その収入を区分する。 』 ということです。
 では 具体的に話すことにします。
 

【 不動産所得 

 
不動産所得とは 不動産、不動産の上に存する権利、船舶又は航空機の貸付 による所得。と規定されています。

 では 個別で見てみましょう。


  権利金等

 建物などの所有を目的として土地を使用する権利( 借地権 )、契約などで定めた目的に従い、他人の土地を自分の土地に都合よく利益が上がるよう供する権利( 地役権 ) などの設定の対価として支払いを受ける権利金などはその金銭等の多寡により次のように区分されます。

  ① 金銭等の額が 土地の価額×50%超 かつ 地代の年額×20超の場合
     譲渡所得
  ②  ① 以外の場合    不動産所得

  駐車場

  ① 入出庫の管理を行う場合・時間貸の場合など   事業所得 または 雑所得
  ② ① 以外の場合     不動産所得

  建物の貸付

  
① ホテル、食事提供の下宿など人が行うサービスが主である場合
     事業所得 または 雑所
  ② アパート、賃貸マンションなど不動産の貸付が主である場合
     不動産所得

  広告板、ネオンサインなどの設置・掲示に係る対価 

 
 ① 浴場業、飲食業における公告の掲示。 事業所得
  ② 土地、家屋(屋上・塀・側面)のッ使用料 不動産所得

 最初の権利金以外は、その対価の対象が不動産の使用を主目的とするかどうかで所得を区分するということです。
 
 次回は 不動産所得の計算について話します。
  
 

所得税入門3(配当、利子所得)

まず 利子所得 です。

【 利子所得 】

 銀行や郵便局にお金を預けると定期的に利子がついてきますよね。 これが 利子所得 です。 ほかに 公債や社債の利子、合同運用信託や公社債投資信託・公募公社債等運用投資信託の収益の分配などから生じる所得をいいます。

 要は 一般的に 利子 と言われるものや 投資信託でその収益の源泉が主に利子の性格をもつものから得られる収入ということです。

利子と利息

 余談ですが 銀行などでは 預貯金については 利子 。 貸付金( 顧客側から見れば 借入金 )については 利息 と言っているところが多いようです。  顧客サイドでいえば  受け取るものが利子、支払うものが利息ということでしょうか。
 しかし 簿記の勘定科目名は 受取利子でなく 受取利息 が 一般的ですから 利子と利息は使い分ける必要はないように思います。

課税について( 課税関係 )
 
 定期預金が満期になるときに受け取る計算書の利息の計算を見るとここで税金が引かれてますよね。
 
 原則 利子所得は 税金の計算は 源泉分離課税 と言って 顧客に支払うべき利子から事前に税金分差し引いて、その残額を個客に渡す制度です。 当然 銀行などは差し引いた税金相当額を国等に納付します。
 利子を受け取った側は 結果的にすでに税金を納付したことになりますから 利子所得については申告して税金を計算納付することはありません。

 例外 源泉徴収は 源泉徴収をしなければならない支払が法律により規定されていますので 日本国外の銀行などの預金利子等 そこに規定されていない利子所得については 利子所得以外のほかの所得と合わせて 税額を計算することになります。

税率

 
差し引かれる税金は 所得税と復興特別所得税 合わせて15.315% 住民税5% です。

 
【 配当所得 

 株の売買を行ってみえる方の中には 売り買いで儲けるのではなく配当目的で株を買われる方もみえますよね。 
 投資信託で その収益の源泉が配当であるものからの収益の分配も 配当所得です。

 税法上 株の引き渡し・会社の解散などで法人から金銭が交付された場合 全額が株を譲渡した金銭などではなく その金銭の一部が 配当 とみなされることがあります。 これについては また別の機会に書きたいと思います。   

所得金額の計算

 収入金額(税引前) - 元本取得のために要した負債の利子  で計算します。

課税について( 課税関係 )

 上場株式等(除く 個人大口株主)  
平成26年1月1日以後は 所得税及び復興特別所得税  15.315%  住民税 5% が源泉徴収されています。 申告するかしないかを選択出来ます。

 上記以外の株式  所得税 20.42% が厳選徴収されています。 所得税は 配当が年10万円相当以下なら申告するかしないかが選択できます。
( 住民税は申告が必要です。)

税率

 申告する場合 他の所得と合わせた 課税総所得金額に基づいた超過累進税率となります。

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