岐阜の税理士 鷲見のつぶやき

経営や生活にかかる税務の話題を中心に、その時々 自分の気になった話題を取り上げます。 わかりやすくを心がけますので 専門家の方から見れば ? と思われる個所があるかもしれませんがご容赦を。 ( 書いていることは その時の法令に従ってますし すべて私見です。)

2016年01月

所得税入門7 (給与所得)

給与所得とは

   ① 俸給、給料、賃金、歳費、賞与
   ② ①の性質を有するもの     (所得税法28①)とあります。

 給与所得には 金銭で受け取ったもののほか ものや商品券などで受け取った場合にも①の性質を有すると認められるものが含まれます。

 通勤に係る交通費や 食事代などが支給されている場合 税法の規定を超える部分は給与所得となります。
 また 勤務先から表彰され 報奨金などとして金品を受け取った場合にも給与所得とされることがあります。
 

所得金額の計算

       給与所得の金額 = 給与等の収入金額 - 給与所得控除

 給与所得控除の額は 給与等の収入金額に応じて決められていて 平成27年では 1,500万円超の給与等の収入額に対する245万円が限度となっています。
 この上限額は 平成28年分については1,200万円超の給与所得等の収入額で230万円となる予定です。

 給与所得控除額は 事業所得の場合などの必要経費に相当するものです。
 「 事業所得などは その収入にかかる費用を引けるのに 給与所得者は収入に応じた額しか引けない 俺はもっと多くの金を自腹で仕事のために使ているぞ。 」という方には 特定支出控除 という制度があります。

年末調整

 
給与の明細尾を見ると 源泉所得税 といった項目で所得税が引かれています。
 社員の給与から源泉徴収税額表に基づき天引 会社などが本人に代わって納付するものです。

 この納付はあくまで 月ごと、賞与ごとの予定計算なので 年末調整 により 正しい納付すべき税金との調整を行います。
 年末調整の時に 扶養家族などを記入する用紙や 生命保険などの控除証明書を会社などに出されますよね。
 会社などは それらの書類をもとに納めるべき税額を計算しているのです。

 でも 2か所以上の会社などから給与をもらってみえる方などは 正しい納付すべき税額が計算できませんからご自分で正しい税額を計算し申告をすることになります。

相続した土地家屋の譲渡所得から3,000万控除!

  平成28年度の税制改正に「 空き家にかかる譲渡所得の特別控除の特例 」が創設されます。

 相続で取得した一定の家屋および土地等を譲渡した場合に その譲渡所得の金額について居住用の譲渡所得の特例による3,000万円の特別控除が適用できるというものです。

 空き家については 総務省の統計によりますと 25年10月時点で全国の空き家の総数は約820万戸あり 適切な管理が行われていないため倒壊しそうだったりするという、周辺の生活環境に悪影響を及ぼすであろう空き家は毎年約6.4万戸増加しているそうです。(H25 住宅土地統計調査)

 H26.11.27に 「 空き家等対策の推進に関する特別措置法 」が公布され、施行後から自治体ごとに空き家を調査、周辺の生活環境に悪影響を及ぼしている空き家を「特定空き家」と認定。所有者に管理をするよう、「指導」を行うそうです。
 みなさんも空き家を所有して見える方には 自治体から管理状況の問い合わせなどがあったのではありませんか。

 目的とするところは H23年に閣議決定された住生活基本計画にある 「 空き家の再生および除却や情報提供等により空き家の有効活用等を促進する。」ことです。

 適切な管理を促すために 固定資産税の居住用家屋の敷地に係る優遇措置をなくし税額を6倍にするといった施策を見聞きされた方も多いのではないでしょうか。

 居住用家屋が空き家となる契機の多くは相続によるものだそうです。
 そこで 空き家の発生を抑制するという観点から今回の特例創設となりました。

 そこで要件です。
  ① 昭和56年5月31日以前に建設 ( マンション等の区分所有建物を除く。)
  ② 対象の譲渡
        1) 被相続人の居住用家屋またはその土地。
        2) 被相続人の居住用家屋の除却後に置けりその敷地の譲渡。
          ※ 建物については 耐震の要件を満たしていなければ満たすように改修必用。
          ※ 家屋については 相続開始直前まで被相続人の居住の用に供されかつ
            被相続人以外に居住していないこと。
  ③ 譲渡時期  相続開始以後3年を経過する日の属する年の12月31日まで(H28.4.1からH31.12.31までの譲渡)
  ④ 譲渡金額 1億円以内
  
   ※ 相続税の取得費加算とは選択適用

  土地家屋を譲渡しようと思えば家屋の改修費用やがかかり 土地等を更地にして譲渡しようとすれば除却費用がかかり‥‥

  相続税の基礎控除額が下がり 相続財産の大半が土地・屋敷で相続税を納付しなければならず 納税資金をどう工面しようかという相談も多く聞きます。
 そんな方には あまり縁のない規定かなとも思いますが 生前に改修工事を行って云々 とか 相続対策としての選択肢にはなりえますよね。


所得税入門6(事業所得① 区分)

事業所得の意義

 農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業‥‥  いわゆる 事業から生じる所得をいいます。

ということで 「 事業とは何ぞや 」という考えが重要!

 事業として行っていても住宅の貸付などは 不動産所得。
 駐車場としての貸付も 入出庫の管理を行う場合や時間貸の場合は 不動産所得でなく事業所得または雑所得。
 公告の掲示で土地や建物の壁などを使わせる場合も不動産収入。 でも 飲食店がお店に掲げた広告から得る所得は事業所得。

 それに加えて 事業的規模 という考え方があって 「事業といえない規模で行うものは 雑所得です。」とか言われると頭の中が??でいっぱいになっちゃいます。
 ここまでが雑 これ以上は事業 という境界がはっきりしていればいいんですが結構あいまい。

所得金額の計算

    事業所得の金額  =  総収入金額 - 必要経費 

 これは 不動産所得と同じですね。

 所得税などの税金も事業でもうかれば納付しなければならないから必要な経費

 いえいえ 所得税を経費にしたらその税金の計算の基礎となる所得が減ってしまうってなんかおかしくありません?
 所得税は 経費にはなりません

 でも消費税は 税込みで計算していれば経費。
 
 売った時の消費税は収入ですから  納付したときは経費。

 税抜きで経理していれば 売ったときの消費税は預り金、仕入れたときの消費税は仮払金 収益に関係しません。 税込みで消費税の出と入りを損益とすれば 税込みと税抜きで収益にそんなに差は出ません。

所得税入門5(番外編 意義の意義)

意義の意義

 意義とは 意味の「意」 定義の「義」の組み合わせですかね。 
 意味合い、そのことば特有の概念 ‥‥  辞書を調べるとそう書いてあります。

 法律の条文に接し 初めて「 意義 」という言葉に出会ったときに混乱したこと思い出します。

 それまで意義というと 「 人生の意義を考える 」といった使い方しか知りませんでした。 「 意義 」という言葉を価値とか重要性の意味合いのみで理解していたのです。

 ですから条文を見ると 「 ○○の意義はこうである。」   と書いてあるのにその重要性でなく 意味合いが書いてあることに違和感を覚えました。

 今では普通に 「 ○○の意義はこういうことだ。 」  みたいに何の違和感も感じないで普通に「意味合い」として使うようになってしまいましたが。

 法律の条文に直接接する機会はない人の中には 私と同じように 意義 という言葉に違和感を覚える方もみえるでしょう。

 なぜ 「意味」とは言わないで「意義」というのでしょうか。

 自分なりの解釈ですが
 意味合い : 一般的、汎用的な概念
 意義    : その言葉をどういった意味合いで使うかの説明、定義

 こんな感じかと思います。
 
 平成27年の夏ごろでしょうか 「 法的安定性 」という言葉がしばしば報道されました。
 法的安定性とは その時々の状況などで法律の解釈が変わってしまっては法律の信用性は損なわれ社会は混乱してしまうので法律の解釈内容は簡単に変えれませんよ。ということです。
 法治国家を維持するための重要な要件です。

 憲法84条に 「あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする。」とあります。
 税法においても 条文を読む人によって運用がことなっては大変なので 「 この法律では この言葉はこういうことをいいますよ。 」ということ ですから 意味でなく 「意義」。

 普通の会話から考えれば 意味と意義の差などは対して重要な話ではないかもしれませんが 法律としては 「意義」はあくまで「意義」で 意味 ではないということです。

所得税入門4(不動産所得② 収入と所得)

 久々に所得税入門の続きです。

 いろいろな人の会話をきいていると 「 所得 」「 収入 」を同じような意味で使われていることがあります。
実際辞書で「 所得 」を調べると 収入 と書いてあったりします。
 でも 税法では 「 所得 」「 収入 」は 異なったものとなっています。

 「 収入 」  は単純に言えば入ってくるお金です。 家賃、給与、物を売った時の売上などです。

 「 所得 」  は 収入からその収入を得るために支出した金額などを引いたものをいいます。

   不動産所得の金額 = 総収入金額 - 必要経費

  
 不動産所得は 収入 すなわち 家賃、地代、賃借料などの得た金銭から その家賃収入を得るために支出した金額 (家屋の修繕費や貸家の火災保険料など)を引いた金額となります。

収入金額

 収入の中には 原則として返す必要のない権利金や 未収となっている家賃なども含まれます。
(前述したように譲渡所得になる場合があります。)
 
 所得税では申告に係る年内に支払期日があるものをその年の収入として計算します。

 家賃などは 例えば1月分を 前年の12月に支払う取り決めがあったりしますが  たとえ翌年の1月分の家賃であっても 決められた支払期日がその年の12月ならその年の収入としなければなりません。

 ただし 一定の要件を満たせば その年に実際に支払期日の来る金額でなく その年1月分から12月分を収入金額として申告することもできます。


 必要経費

 壊れた部分の修繕費用 
  壊れる前の状態、機能となるような修繕は問題ありませんが 修繕をすることにより機能が向上したりすると  修繕をした年から何年かにわたり費用にする(減価償却)必要がでてきます。

 借入金利子
  業務開始前の利息は建物などの取得額となります。

 所得金額については もっと多くの取り扱いがありますが 入門編ということで今回はここまでにします。

 次回は 事業所得について書く予定です。